明治維新に不都合な「新選組」の真実

明治維新に不都合な「新選組」の真実

著者 : 吉岡 孝

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定価 : 860円(税別)

  • 判型 : 新書
  • 刊行年 : 2019/10/07 発売
  • ISBN : 9784584126042

内容紹介

土方歳三戦没150年…

新選組は「賊軍」「敗者」となり、その本当の姿は葬られてきたが「剣豪集団」ではなく、近代戦を闘えるインテリジェンスを持った「武装銃兵」部隊だった!

いまこそ「官軍の正義」を疑え!

「新選組の歴史」が変わる!

初公開を含む「豊富な図版点数」を収録。

いまこそ「新選組」の本当の姿をお伝えしよう

◆長州&土佐は上洛直後の新選組のスカウトに動いた

◆新選組は剣豪集団ではなく「武装銃兵」部隊だった!!

◆「俺たちはいくらでも近代戦を戦える!」

―――――そう語ったと読み取れる土方歳三の言葉とは!?

◆新選組の組織と理念は、本当は芹沢鴨が作った

◆近藤勇より格上の天然理心流師範が多摩に実在!

◆新選組は幕末アウトロー界の頂点に君臨していた!?

◆幕末の「真の改革者」はみな江戸幕府の側にいた!!

 ともすると幕末・明治は、国論が「勤王・佐幕」の2つに割れて、守旧派の幕府が、開明的な 近代主義者の「維新志士」たちによって打倒され、「日本の夜明け」=明治維新を迎えたかの ような、単純図式でとらえられがちです。ですが、このような善悪二元論的対立図式は、話と してはわかりやすいものの、議論を単純化するあまりに歴史の真実の姿を見えなくする弊害を もたらしてきました。

 しかも歴史は勝者が描くもので、明治政府によって編まれた「近代日本史」は、江戸時代を 「封建=悪」とし、近代を「文明=善」とする思想を、学校教育を通じて全国民に深く浸透さ せてきました。

 そんな「近代」の担い手たちにとって、かつて、もっとも手ごわかった相手が新選組でし た。新選組は、明治政府が「悪」と決めつけた江戸幕府の側に立って、幕府に仇なす勤王の志 士たちこそを「悪」として、次々と切り捨てていきました。

 新選組の局長近藤勇は、自己の置かれている政治空間と立場を体系的に理解しており、一介 の浪士から幕閣内で驚異的な出世を遂げた人物です。そんな近藤の作った新選組という組織 を、原資料を丁寧に読み込み、編年形式で追いながら、情報・軍事・組織の面から新たな事実 を明らかにしていきます。

 そこには「明治維新」にとって不都合な真実が、数多くみられるはずです。

著者プロフィール

吉岡 孝

1962年東京都国分寺市に生まれる。1986年國學院大學文学部史学科卒業。1992年法政大学大学院人文科学研究科日本史学専攻博士課程単位取得退学。2006年國學院大學文学部専任講師。2008年國學院大學文学部准教授。2017年國學院大學文学部教授。専攻は日本近世史。著書に『八王子千人同心』(同成社 2002年)、『江戸のバガボンドたち』(ぶんか社 2003年)、『八王子千人同心における身分越境―百姓から御家人へ―』(岩田書院  2017年)。監修に『内藤正成の活躍』(久喜市、2018年)、『空襲で消えた「戦国」の城と財宝』(平凡社 2019年)などがある。ブログ「青く高き声を歴史に聴く」blog.livedoor.jp/yoshiokaa1868を執筆。